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Vol.49ビジネスを加速させる組織づくり 最終回

原口祐佳氏組織デザイン・ラボ代表

社員のやる気を引き出す人事制度とは?

経営者のビジョンや理念を社員にしっかりと伝え、社員が抱えるさまざまな想いや現状を把握したら、 次に取りかかりたいのが「人事制度」の確立。社員のやる気を引き出し、結束力を高めるだけでなく、売り上げアップ にもつながる「人事制度」とは、どんなものなのか。最終回では、「人事制度」策定に関するコツをお伝えします。

ビジネスを加速させる組織づくり 最終回

人事制度に関して、皆さん、どのようなイメージをお持ちですか?「人事制度=評価するもの・されるもの」という印象から、あまりいい イメージをお持ちでない方が多いよ うです。しかし、本当の人事制度は社員の悪いところを探すのではなく、いいところを見つけて伸ばしていくためのもの。このような人事制 度が確立できれば、社員のやる気が アップするだけでなく、会社の雰囲気が良くなり、ひいては売り上げまでも伸ばすことができます。

最終回では、人事制度の策定につ いて、順を追ってご説明します。

Step1「役割等級制度」で求める人物像を明確化する

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人事制度は、「役割等級制度」「人 事評価制度」「給与制度」「育成制 度」という4つの柱から成り立っています。まずは、人事制度のベースとなる「役割等級制度」から考えます。
「部長になるまでに、入社してどれくらいの期間が必要か」「何段階のステップを経て、部長になるのか」などを考慮し、等級を決めます。次に、各等級に求める役割や能力など、あるべき姿を明確にしていきます。
例えば、課長という立場であれば、「部下の能力を見極め、育成・指導が できる」、「課の目標達成責任を担っている」、「自社の競争優位性を活かした戦略や戦術を立てる力を有している」など、社内の誰が見ても『課長に何が求められているのか』をわかるようにします。

Step2「人事評価制度」で納得感のある評価を実施

「人事評価制度」は人事制度策定 において、最も重要で作業的にもメインとなる部分です。「人事評価制度」を決めていくためには、以下の3つのことを行います。Step1で明確にした人物像をもとに、
一、3つの指標『態度』『目標』『実力 (能力)』の評価項目と基準を決める。
二、評価結果の算出方法を決める。
三、昇格・降格ルールを策定する。
この中で最も重要で大変なのは、一の『評価項目と基準』を決めることです。具体的には以下のように進めていきます。Step1で明確にした人物像が「部下の能力を見極め、育成ができる」「課の目標達成責任を担っている」であった場合、その人物はどのような『態度』で仕事に取り組んでいる か、仕事を進める上でどのような『実力(能力)』を発揮しているかを考えます。ここで導き出した内容が、『態度』の評価項目や『実力(能力)』の評価項目です。
次に、導き出した評価項目について、具体的にどのようなことができているか、どのようなことをしているかを考え、評価の定義を作ります。さらに、これが「完璧にできているのであればA」「8割できていればB」な ど、基準を決めます。
評価項目と基準策定は、掘り下げて掘り下げていく作業ですので、時間もかかり、根気もいります。しかし、ここをしっかり作り込むことで、社員の誰もが納得できる、公正で公 平な評価ができ上がります。
このような方法で丁寧に「人事評価制度」を策定することで、等級ごとに備えるべき能力や、求められる仕事への取り組み姿勢、昇格、昇給のしくみが明確になり、社員全員の共通認識となります。具体的でわかりやすくなることで、評価に対する不平不満がなくなるのはもちろん、さらなる成長のため、自主的に行動する社員が増えていきます。

Step3「給与制度」でモチベーションアップ!

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「給与制度」は、「人事制度評価制度」の結果と給与や賞与を連動させる仕組みを作ることです。
ここでは「評価結果がAだから、給与が1000円アップする」など、昇給をわかりやすくすることが大切です。昇給がわかりやすくなることで、会社への信頼性も上がります。また、頑張った分が給与に反映されると理解できることで、社員のやる気も引き出しやすくなるのです。

Step4「育成制度」で丁寧な人材育成を

「育成制度」では、等級ごと・職種 ごとに必要な教育を洗い出し、体系化 していきます。
体系化した教育制度を設けることで、効果的かつ確実に、社員に教育を受けてもらうことができるようになります。と同時に、自分自身に必要な資格や研修がわかるようになるため、昇格や昇進を望む社員が自ら進んで研修に参加したり、勉強をしたりするようにもなります。
弊社では、人事制度の策定はもちろん、運用支援、社員教育の実戦まで、トータルでお手伝いが可能です。また、既存の評価制度をお持ちでシステム化をお考えの企業様には、ウエブでの運用システム導入のご紹介もしています。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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原口祐佳氏組織デザイン・ラボ

はらぐち・ゆか/長崎県佐世保市生まれ
短大卒業後、ANAに入社。空港業務、研修業務、企画、セールス等、23年間にわたり幅広く業務に携わる。2012年に組織デザイン・ラボを設立。組織デザイナー・研修講師として多くの企業の組織デザインおよび人財育成に携わる。国際資格である“ICF国際コーチ連盟プロフェッショナル”の資格を有し、経営者に対するコーチングにも定評がある。