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Vol.48ビジネスを加速させる組織づくりVol.2

原口祐佳氏組織デザイン・ラボ代表

経営者と社員、心の温度差をなくすためには?

第一回目では、経営者のビジョンや理念を明確化すること、伝達していくことの大切さを「組織デザイン・ラボ」の原口さんから教えていただいた。だが、「ビジョンや理念を伝えているが、社員との間に隔たりを感じる…」という方もいることだろう。その場合は、どうしたらいいのだろうか。

ビジネスを加速させる組織づくり Vol.2

2代目経営者様とお話をしていると、社員との関係に悩んでいる方が多くいらっしゃいます。詳しくお伺いしていくと「お坊ちゃん扱いをされ、話を聞いてもらえない」「言われたことしかせず、頑張る意欲が見えない」「研修に対して協力的ではない」などなど、たくさんのお悩みが出てきます。

会社や社員の未来を少しでも良くしていきたいという経営者の想いは、なかなか周囲の人に伝わりにくいもの。前回お伝えしたように、ご自身のビジョンや想いを常に社員へ伝え、共有していくことはもちろんですが、社員の想いや現状を正確に把握することも必要です。「頑張れと言われても何を頑張ったらいいかわからない」「今まで通りの仕事をしているのに、なぜ新しい経営者から認められないのか」など、社員には社員ならではの悩みがあります。今までたくさんの中小企業の社員の皆さんをヒアリングしてきて私が感じたのは、中小企業の社員の方々は真面目でコツコツと努力をする方が多いようです。 会社のため・社員のため、会社を成長させていきたい経営者と、真面目にコツコツ働く社員。経営者にも、社員にも、それぞれの想い、それぞれの考え方があります。会社をよくしていくためには、お互いの想いや状況を知ることが欠かせないと言えるでしょう。だからこそ、経営者の皆様は、社員ひとりひとりの声に耳を傾けることを大切にしてほしいと思います。

しかし、経営者自ら社員へヒアリングをすると、社員は緊張してしまい、なかなか本音が言えないもの。そのような場合は、外部人材などを上手に取り入れ、第三者の目から社員の考えを洗い出してもらうことをお勧めいたします。

人事制度を作成する場合は、社員の想いや考えを受け止め、明確にした理念やビジョンを基に専門家と相談しながら作成することが望ましいでしょう。一般的な人事制度を採用することは簡単です。しかし、一般的な人事制度が、すべての会社に当てはまるかと言えばそうではありません。特に中小企業の場合は、規模も状況も、さまざまです。会社に合わない人事制度だと、使われることがなく、経費の無駄となってしまいます。

だからこそ、人事制度はそれぞれの会社の業務内容、状況、風土に合わせたオーダーメイドであるべきだと、私は考えます。会社にいる全ての人が納得できる内容であることはもちろん、使われる言葉や言い回しも、みんながピンとくるもの、納得できるもので表現することも大切です。

社員誰もが理解でき、わかりやすく使いやすい人事制度で求める社員像を明確にすれば、経営者と社員の温度差がなくなり、共通の目的意識を持って働くことができるでしょう。

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原口祐佳氏組織デザイン・ラボ

はらぐち・ゆか/長崎県佐世保市生まれ
短大卒業後、ANAに入社。空港業務、研修業務、企画、セールス等、23年間にわたり幅広く業務に携わる。2012年に組織デザイン・ラボを設立。組織デザイナー・研修講師として多くの企業の組織デザインおよび人財育成に携わる。国際資格である“ICF国際コーチ連盟プロフェッショナル”の資格を有し、経営者に対するコーチングにも定評がある。