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vol.48Contents

高木鉄平氏一般社団法人日本産業メンタルマネジメント協会代表理事

今求められる「個人面談力」とは!?

個人面談といえば、昇進や給与査定などのために行われるイメージ強いもの。だからこそ、「面談=嫌なもの」とマイナスに捉えている人が多いだろう。が、しかし。個人面談を上手に取り入れることで、職場のムードが良くなり、売上アップも見込めると高木氏は言う。高木氏が提唱する「個人面談力」について伺った。
文=市田里実

Q なぜ「個人面談」について、本を出版しようと思ったのですか?

A 個人面談には守秘義務があるため、当然ながら内容がほかの人に伝わることがありません。ということは、ほとんどの人が個人面談のやり方を知らないし、「いい個人面談」と「悪い個人面談」の区別がつかないということになります。5年間で5000人以上もの方々に個人面談をしてきた私にとって、個人面談は忌み嫌うものではなく、むしろ会社のコミュニケーションを深め、売り上げをアップさせることができる重要なファクター。だからこそ、ぜひ個人面談の良さを、そして方法をみなさんにお伝えたしたくて、本を書くことにしたんです。

Q では、「いい個人面談」は、どんな面談でしょうか。

A 「行動」につなげることができる個人面談です。個人面談は、評価や査定をするだけのものではありません。個人面談を通じて、上司は部下の現状や考えを把握する。部下は、アイデアや改善方法などを伝える。そんな時間にすることができれば、個人面談に対する不安や恐れもなくなるし、業績アップにつながります。

Q どうしたら「行動」につながる個人面談ができるようになりますか?

A 私がおすすめするのは、シートを使った個人面談です。シートを使うことで面談の目的が明らかになるため、上司としては感情的になることがなくなり、部下としては上司の問いに答えやすくなります。また、一度の個人面談で全ての答えを得ようとしてはいけません。シートを使い、課題を提示する。次回の面談までに、シートへ記入してもらう。こうした方法であれば、部下は自分自身で課題に気づき、解決方法を考えることができます。ひとりでは気づくことのできない、乗り越えられない障害を一緒に乗り越えていく。それこそが個人面談の醍醐味です。人は、誰かに言われたことをするよりも、自分で考えたことを行動に移すときの方が、自主性が出て、やる気がおきますよね。この積み重ねが、社員に自信とやる気をみなぎらせ、業績アップにもつながっていくんです。

Q 個人面談をする際、気をつけることはありますか?

A 長時間の面談は、避けてください。15分くらいの面接を月に2度、もしくは3週間に1度することをおすすめします。こうすることで、こまめに上司と部下がコミュニケーションをとることができます。もうひとつは、「答えを言わない」ことでしょうか。部下が口ごもると、上司はすぐに答えを出してしまいたくなるものです(笑)。でも、部下にだってちゃんと考えがあるんです。だからこそ、シートを使ったワーク形式の面談をすることで、部下にいくつか提案をしてもらう。その中から一緒にどう「行動」していけば良いか話し合い、選ぶことで、上司と部下、双方のストレスが解消し、前向きな関係を築くことができます。

個人面談の本を出している私ですが、実は昔は個人面談が嫌いでした(笑)。でも、個人面談は技術さえ身につければ、誰にでもできるし、一生のあなたの宝になるはず。自信のない方は、まずはご家庭でお試しください。家族間コミュニケーションも深まるはずですよ。

短期間でやる気を引き出す!
個人面談

出版社/つた書房 価格/1620円
発売日/2018年5月2日
5000人を超える個人面談から得た経験をまとめた、高木さん初の著書。理論はもちろん、実践で使えるワークシートもついている。

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個人面談をするときの3つのコツ

  • 1:面談は2回で1セット
    1回目の面談で課題を共有し、2回目の面談で課題を解決していく。このようにセッティングすれば、お互いストレスを感じることもなし。

  • 2:シートを使い、具体的なイメージを
    面談には、具体的なイメージが重要。口頭だけだと、お互いの考えがうまく伝わらないことも。
    シートを使い、具体的にイメージしながら行うのがベター。

  • 3:「行動」を引き出す
    個人面談の目的は、「やる気」を引き出すのではなく「行動」を引き出すこと。部下の主体性が出てくるまで、寄り添うことが大切である。

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高木鉄平氏一般社団法人日本産業メンタルマネジメント協会代表理事

たかき・てっぺい/福岡県生まれ
人材コンサルタント、メンタルコーチ、一般社団法人日本産業メンタルマネジメント協会代表理事。大学卒業後、大手企業に入社。「もっと笑顔で働く人を増やしたい」という願いを叶えるため、人材派遣会社、民間教育訓練機関を起こす。多くの人材に関わった経験を生かし、講演や研修、個人面談の指導などを行い、幅広い業界から人材指導に高評価を受けている。